KDE ApplicationsおよびDevelopment Platformのバージョン4.12がリリースされる

 The KDE Communityは12月18日、デスクトップ環境KDE向けのアプリケーション集「KDE Applications 4.12」および開発プラットフォーム「KDE Development Platform 4.12」をリリースした。それぞれバージョン4系の最新版となり、バグ修正と新機能により安定性を強化した。

 KDEはデスクトップ環境の「KDE Plasma Workspaces」とアプリケーションの「KDE Applications」、開発環境の「KDE Development Platform」で構成される「KDE Software Compilation(SC)」としてリリースされているが、同プロジェクトは現在「KDE Frameworks 5」に向けた準備を進めており、そのため「KDE Applications」および「KDE Development Platform」が単独でリリースされることになった。3コンポーネントが揃ったリリースは8月に公開された4.11が最後となり、今回KDE Plasma Workspacesはアップデートされていない。なお、バージョン4.11は長期サポートのLTSと位置づけられている。

 Applicationsでは、メール/カレンダー/個人情報管理ツール(PIM)を強化した。キャッシュ強化により性能を改善したほか、機能も強化した。たとえば「KMail」でHTML有効時にAdBlockサポートを利用できるようになり、サーバーサイドフィルタリング機能「Sieve」もサポートした。

 グラフィカルテキストエディタの「Kate」も強化され、省略語や一部マッチなどの機能がコード補完に加わった。Vimマクロの初期サポートが加わり、Pythonプラグインの統合も改善した。Pythonはバージョン3がデフォルトとなる。ドキュメントビューア「Okular」ではEPUBでオーディオとビデオのサポートが加わり、UMLダイアグラムツールの「Umbrello」、プライバシー機能「KGpg」なども細かな改善が施されている。ゲームと教育向けソフトウェアも強化した。

 Development Platformはバグ修正が中心のリリースで、安定性を強化した。中でも、セマンティック機能「Nepomuk」では「Microsoft Office 97」フォーマット向けのインデックス機能が加わった。Framework 5の技術プレビューも今月中に公開する見込みという。

 KDE ApplicationsおよびKDE Development PlatformはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

The KDE Community
http://kde.org/