リッチアプリ用JavaScriptライブラリの「Sencha Ext JS 5」がリリース、タッチをサポート
米Senchaは6月2日、リッチアプリケーション開発に向けたJavaScriptライブラリ「Sencha Ext JS 5」をリリースした。タッチインターフェイスがサポートされ、単一のコードベースでデスクトップとタッチ対応モバイルデバイスの両方に向けてアプリケーションを開発できる。
Ext JSはJavaScriptおよびHTMLを用いたリッチインターネットアプリケーション(RIA)開発向けフレームワーク。DOMの操作やイベント処理、非同期サーバー通信といった機能に加え、さまざまなGUIコンポーネントが提供されている。バージョン4からはMVC(Model-View-Controller)でのアプリケーション開発もサポートされた。
Ext JS 5.0での新機能としては、タッチサポートの実現がある。Sencha Touchのジェスチャーシステムを利用し、ピンチやズーム、スワイプ、長押しなどのジェスチャーをサポートするのに必要なコードを組み込んだ。これにより、単一のコードベースでデスクトップ向けアプリとタッチ対応デバイス向けアプリの両方を公開できるという。
また、デスクトップとタブレットのそれぞれに対して閲覧とナビゲーションを最適化するレスポンシブ設定システムも加わっている。新たに「Neptune」と「Crisp」という2種類のマルチデバイステーマも導入された。グリッドも強化され、「Buffered Updates」と「Grid Widgets」を組み合わせることで、リッチデータの視覚化とリアルタイムのアップデートが可能になるという。
アーキテクチャでは、MVVM(モデル・ビュー・ビューモデル)アーキテクチャが加わった。これにより、双方向データバインティング、ビジネス/ディスプレイのロジック分離が可能となり、ビューとモデルの間で変更が自動的に反映されるようになった。また、クライアント側のデータセッション管理も強化され、サーバーとのやりとりが最小限に抑えられるようになったという。
そのほか、セッション管理の「Session Management」やアプリケーション間でのディープリンクサポートなども導入されている。
Ext JSは商用ライセンスおよびGPLv3で提供されており、商用ライセンス版については同社Webサイトより45日無料で利用できる試用版が提供されている。対応WebブラウザはSafari 6以上、Firefox、IE8以上、Google Chrome、Opera 12以上。また、対応モバイルOSはiOS 6および7、Android 4.1以上、Windows 8を搭載したタッチ対応デバイス。