MVCベースのJavaScriptアプリケーションフレームワーク「Ext JS 4.2」

 米Senchaの「Ext JS」は、MVCアーキテクチャを持つJavaScriptフレームワークだ。先に発表した約1年ぶりとなる最新版「Ext JS 4.2」では、グリッドをはじめ性能が改善された。見栄えがよく、快適に動作し、優れた体験をもたらすモダンなアプリケーション構築を支援することにフォーカスしたという。

 Ext JSはクロスプラットフォームのJavaScriptアプリケーションフレームワーク。MVCアーキテクチャを持ち、リッチなデスクトップアプリケーションを構築できる。プラグインなしのチャート、ブラウザに依存しないベクターグラフィック、無限スクロールなどの機能を持つ。Internet Explorer(IE)、Firefox、Chromeなど主要なWebブラウザをサポートする。

 Ext JS 4.2は、2012年4月に公開されたバージョン4.1以来のリリースとなる。目玉の一つとなるグリッド機能では、バッファレンダラ機能が改善され、大規模データグリッドの利用が容易になった。行の管理方法が改善され、バッファゾーンにスクロールすると古い行は削除し新しい行を追加するという最適化を行う。これにより性能を改善し、操作がより快適になるという。IE 8上で2000行のグリッドをスクロールする性能テストでは、処理時間が4.1と比較して約2分の1に短縮されたと報告している。

 また、新たな公式テーマ「Neptune」が加わった。モダンでクリーンな外観を持ち、多種類のブラウザ上で優れた体験を提供できるという。Neptuneの追加により、Ext JSの公式テーマは4種類(Neptune、Classic、Gray、Accessibility)となっている。テーマ全体の強化としては、コマンドラインツール「Sencha Cmd 3.1」との統合、柔軟性の強化なども行われておおり、テーマの拡張(カスタマイズ)のための機能も加わっている。

 このほか、タブ、グリフなどが強化され、MVCではControllerが他のControllerのイベントに対応するためのEvent Domainsが加わった。RTL(Right to Left)もサポートし、アラブ語など右から左に表記する言語に対応した。

 Ext JSはGPLv3で公開されている。サポート付きの商用ライセンスもある。サポートするWebブラウザは、Internet Explorer 6以上、Firefox 3.6以上、Safari 4以上、Chrome 10以上、Opera 11以上。

「Sencha Ext JS」
http://www.sencha.com/products/extjs/

米Sencha
http://www.sencha.com/