米Googleが「Chrome 35」をリリース、JavaScript強化

　米Googleは5月20日、Webブラウザ「Google Chrome」のお最新版「Google Chrome 35（バージョン35.0.1916.114）」を発表した。プロジェクトのWebサイトよりWindowsおよびMac OS X、Linux向けバイナリがダウンロードできる。

　Chrome 35は4月はじめに公開されたバージョン34に続く最新安定版で、開発者向け機能の強化が中心となる。主要な変更点としては、タッチ入力操作サポートの強化やJavaScript関連機能の強化、プレフィクス無しのShadow DOMサポート、新たなAPIの追加、安定性やパフォーマンスの強化など。

　JavaScript関連では、ECMAScript 6で定義された3つの新機能「Promise」および「WeakMaps/WeakSets」、「Object.observe」がサポートされた。Promiseは簡潔な非同期コードを書くのを支援する機能。また、WeakMapsとWeakSetsはガベージコレクションでのデータ収集を効率化するものでメモリリーク回避を支援する。Object.observeはJavaScriptのオブジェクトの変更を監視するもの。

　DOM（Document Object Model）をカプセル化する仕組みであるShadow DOMのサポートも強化された。この機能自体はすでに実装されていたが、利用の際にはベンダー固有プレフィクス（接頭辞）が必要だった。本バージョンからはベンダー固有プレフィックスなしでShadow DOM機能が利用できるようになる。フォントリソースを動的に読み込むCSS Font Loading機能の追加や、SVGのpaint-order属性サポートも行われている。

　なお、開発者が宣言的なメカニズムを利用してタッチによるスクロールやピンチによるズーム、ダブルタップによるズームなどの制御を有効・無効にできるCSSプロパティ「touch-action」については、ベータ版では導入されていたものの、正式版ではサポートを延期した。

　また、Linux版では、UIコンポーネントとしてGTK+に代わりGoogleが開発する「Aura」が利用されているようになっている。

　最新版では23件のセキュリティ修正も行った。この中にはオーディオにおける整数オーバーフローの問題、スタイルとSVGでの解放済みメモリ使用（Use-After-Free）の問題など、深刻度が4段階中2番目に高い「High」に分類される3件のバグも含まれている。

　Googleは同時にChrome OSとChrome for Androidもアップデートしている。

Google Chrome
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