Mozilla、Firefoxのデバック用に開発したデバッガ「rr」を発表

 Mozillaの開発者は3月26日、デバッガ「rr」を発表した。記録と再生にフォーカスしたツールでFirefoxのデバッグ用に開発したもので、gdbを強化、あるいはリプレース(置き換える)という。プロジェクトの専用サイトより1.0を入手できる。

 Mozilla開発者のRobert O’Callahan氏が自身のブログで発表した。Firefox開発にあたって作成したC/C++デバッガーで、記録(record)と再生(replay)フレームワークであることから、rrと名付けた。Linuxプロセスツリーの記録と再生をフェイズに分けて行い、実行の状態を何度でも再生してデバッグできるという。

 実装性にフォーカスし、OSカーネルの修正を意図的に回避するほかシステム設定の変更もなるべく行わないように設計したという。ランタイムオーバーヘッドも重視し、テストスイートではネイティブ実行と比べて記録の場合は1.2から2.2倍、再生の場合は1.2から3倍におさまっている。再生時にgdbを利用してデバッグでき、断続的なバグの多いプログラムのデバッグ作業に最適としている。

 一方でシングルコアマシンしかエミュレーションできない、比較的新しいx86 CPUが必要(現在、Intel Ivy BridgeとSandy Bridgeをサポート、Haswellはサポートしていない)、x86 32ビットプロセスのみなどの制限がある点を注意している。

rr
http://rr-project.org/