「GNOME 3.12」リリース、関連アプリケーションやWaylandサポートが強化される
The GNOME Projectは3月26日、最新のデスクトップ環境「GNOME 3.12」をリリースした。開発が進んでいる次世代ディスプレイサーバー「Wayland」の実験的サポートが強化されたほか、アプリケーションや開発者向けの新機能追加および既存機能の強化が図られている。
2013年9月末に公開されたバージョン3.10から約6か月ぶりのリリースとなる。本バージョンでは3.10で導入されたWaylandの実験的サポートが強化されており、ログインやセッション管理などが一新され、libinputライブラリの導入も行われている。X11アプリケーションとの互換性も改善したという。HiDPIサポートや4Kモニターサポートなども行われている。
ソフトウェアのインストールや管理を行うツール「GNOME Software」では検索、インストールなどの操作をよりスムーズに行えるよう改善された。アプリケーションのスクリーンショット表示やレーティングなどの機能が加わったほか、ユーザーがダウンロードしたパッケージを個別にインストールしたり、サードパーティのパッケージレポジトリを追加するようなパッケージのインストールにも対応した。ソフトウェアアップデートも改善し、アップデート後に電源を切るオプションなどが加わった。
テキストエディタ「gedit」では新しいインターフェイスを導入、ポップオーバー形式のウィンドウを利用することでドキュメント形式などの設定を効率よく行えるという。画面スペースを効率良く利用できるようUIの改良も行われている。
動画アプリケーションはデザインや機能が一新され、より「現代的」なデザインになっているという。また、ローカルにある動画に加えて「Rai.tv」や「The Guardian Videos」、「Apple Movie Trailers」などのオンライン動画の再生にも対応した。動画やWebページ保存サービス「Pocket」との統合により、保存した動画を後で閲覧することも可能。
このほかブラウザ「Web」を改善したほか、IRCクライアント「Polari」、オーディオ録音「Sound Recorder」、ソフトウェアログ解析「Logs」の3種類のアプリケーションがプレビューとして加わった。アプリケーションフォルダも強化し、アクティビティ画面上にフォルダを作成して管理できるようになった。
クラウドサービスとの統合も進められている。写真管理ソフトウェア「Photos」ではFacebookとの統合が行われ、Facebook上の写真を閲覧できるようになった。また、ドキュメントを「Google Drive」で保存可能となったほか、「Google Cloud Print」との統合により同サービスに登録しているプリンタでの印刷もサポートされている。
開発者向けとしては、GTK+ツールキットに「GtkActionBar」および「GtkPopover」、「GtkFlowBox」の3つのウィジェットが加わった。通知APIではlibnotifyに代わってGNotificationを導入し、検索エンジン/メタデータ保存システム「Tracker」やPythonバインディングも強化した。GUIライブラリの最新版「Clutter 1.18」も含まれている。
GNOME
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