「GNOME 3.8」がリリース、アプリケーション起動画面やプライバシ関連機能の強化などが行われる

 GNOME開発チームは3月28日、デスクトップ環境GNOMEの最新版「GNOME 3.8」を公開した。プライバシ関連機能が強化されたほか、新しいコアアプリケーション「Clocks」が加わっている。GNOME 2系を好むユーザー向けに「Classic Mode」も用意される。

 GNOMEは6か月ごとに新バージョンをリリースするというポリシーを導入しており、GNOME 3.8はこれにほぼ従ったリリースとなる。この間、約960人の開発者から3万6000件近くの貢献があったという。

 GNOME 3.8では、新たにプライバシーおよび共有の設定機能が導入されている。自分のコンピュータ上にある情報に対するアクセス権限や表示方法などを管理できるという。オンラインストレージソフトウェア「ownCloud」サポートも統合され、ドキュメント、連絡先、カレンダーなどの同期や共有を容易に行えるという。

 アプリケーション起動画面も刷新されている。よく利用するアプリケーションをタブに表示するなど、使い勝手が向上しているという。アクティビティ画面からの検索も改善されており、検索結果画面が新しくなったほか、検索結果の設定も可能となった。アクティビティでは、ウインドウセレクタ、サムネイル表示など細かな改善が加わっている。

 新たに追加されたアプリケーション「Clocks」は、GNOME 3.6でプレビュー版として追加されていた世界時計アプリケーション。世界各地の時間を表示したり、アラーム、ストップウォッチ、タイマーなどの機能を持つ。そのほか、GNOME 3技術をベースにしながらもGNOME 2系に似たデスクトップ環境を提供する「Classic Mode」も用意されている。これに伴い、従来の「Fallback Mode」はClassic Modeに置き換えられている。

 Webブラウザ「Web」や仮想マシンや遠隔にあるシステムに接続するための「Boxes」をはじめとする各種アプリケーションも改良されている。とくにWebは高速化されレスポンスも強化されているという。WebKit2プラグインシステムを利用したAdobe Flashサポートも追加されている。

 ユーザビリティ関連では約60件のバグを修正、通知システム、ロック画面などを中心に改善が加えられている。メッセージトレイの表示も改良されている。設定アプリケーションや初期設定画面も新しくしたほか、キーボードショートカットも更新、一貫性を強化したという。

 開発者・管理者向けとしては、GTK+やClutter、GLibといった関連ライブラリが新しくなっており、開発者向けドキュメント「DevHelp」も改善した。

 GNOME 3.8は各種Linuxディストリビューションでパッケージとして提供されている。また、ソースコードはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

The GNOME Project
http://www.gnome.org/