Modern UI(Metro)版Firefox、開発打ち切りへ

 Mozillaは3月14日、WebブラウザFirefoxのModern UI(旧称Metro)版について、開発の打ち切りを発表した。Modern UIの受け入れがあまり進んでいない状況を受け、正式版をリリースする前に撤回を選んだと説明している。

 Modern UIはWindows 8で導入された新しいユーザーインターフェイス。当初は「Metro UI」と呼ばれていた。Mozillaは2012年10月にModern UI向けFirefoxのプレリリース版を公開しており、開発者向けのアルファ/ベータ版ビルドである「Nightly」および「Aurora」で利用できた。

 Modern UI版Firefoxの開発中止は、MozillaのFirefox担当バイスプレジデントであるJonathan Nightingale氏が公式ブログで発表した。それによると、Modern UI対応版開発チームの作業に問題はなかったが、「Modern UIプラットフォームの状況を考慮すると1.0をリリースすることはミスになると判断した」という。

 Nightingale氏は「2012年後半、Modern UIバージョン開発をスタートしたときは、Webの次の主戦場になると思えた」と述べつつ、Modern UIの受け入れが予想ほど増えなかったという事実を明かした。毎日数百万もの人がプレリリース版のFirefoxをテストしているが、Modern UI環境での利用は1000人にも満たなかったという。

 このような状況を受け、リリースに伴うテストなどの作業、リリース後のメンテナンスなどの作業を考慮すると、開発打ち切りが適切と判断したという。「Mozillaは世界をよりよくするためのソフトウェアを開発するが、戦いを選ぶ必要もある」とし、リソースのフォーカスが必要との見解も示している。

Mozilla
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