米Valve、Direct 3DからOpenGLへの変換レイヤー「ToGL」をオープンソースに

 Windows/Mac/Linux向けゲームの開発やゲーム配信サービスSteamの運営を手がける米Valve Softwareが、Direct 3DからOpenGLへの変換レイヤー「ToGL」をオープンソースとして公開した。自社がLinuxにゲームをポーティングする際に開発した技術だという。

 ToGLは、Valveが開発・提供するアクションストラテジーゲーム「Dota 2」をLinuxにポーティングする際に同社内で開発されたツールで、Microsoftが提供するWindowsの3D APIであるDirect 3DのサブセットをOpenGLを使って実装したものとなる。また、Direct 3Dで使われるシェーディング言語であるHLSL(High Level Shader Language)からOpenGLで使われるGLSL(OpenGL Shading Language)への変換機能も持つ。Direct 3DのShader Model 3(SM3)も一部サポートする。

 ToGLを利用することで、Windows向けゲームのLinuxやMac OS Xへのより迅速な移植が可能になるとのこと。ただし現時点で公開されているToGLのコードはDota 2のソースツリーに含まれていたものをそのまま抜き出したものであるため、既存のWindows向けゲームでToGLを利用する場合、コードの修正作業が必要になる場合もあるようだ。

 ValveはLinuxベースのゲーム/エンタテインメント向けOS「Steam OS」を開発しており、近年はWindows以外のプラットフォームサポートも注力している。ToGLのソースコードを公開することで、LinuxやSteamOS、Mac OS XへのWindows向けゲームの移植を促進することを狙う。

ToGL
https://github.com/ValveSoftware/ToGL

米Valve Software
http://www.valvesoftware.com/