米ValveがDebianベースの「SteamOS 1.0」ベータを公開
米Valve Softwareは12月13日、LinuxベースのOS「SteamOS 1.0」(開発コード「alchemist」)のベータ版を公開した。同社のゲームコンソール「Steam Machine」向けに開発されたOSで、ゲーム配信サービス「Steam」を使ったゲーム用に設計しているが、通常のLinuxデスクトップとしても利用できるという。
SteamOSはDebian 7.1(開発コード名「Wheezy」)をベースとしたOS。eglibc 2.17のバックポートを含み、サードパーティのドライバを追加したりグラフィックスタックをアップデートするなどの変更を加えている。また、Linuxカーネルも3.10に更新されている。ValveはPC向けゲーム配信プラットフォームSteamにおいてはLinuxディストリビューションとしてUbuntuを推奨しているが、Debianを選んだ理由については「完全にカスタムなSteamOS体験を提供するにあたって、Debianコア上に構築するのが最善の方法」と説明している。Steamクライアントはプロプライエタリだが、土台のコンポーネントは全てオープンソースで、GPLの下で公開している。
Steamゲーム向けに特化した「Big Picture」モードなど、SteamやSteamで配信されるゲーム向けに設計しているが、通常のLinuxアプリケーションを動かせるデスクトップモードも用意する。また、ソフトウェアアップデートには通常のDebianと同じくAPTパッケージマネージャを利用する。現時点では提供されるパッケージは限定的だが、多数のDebian Wheezyパッケージが動くという。将来的にはSteamOSレポジトリから直接パッケージを入手できるようにする仕組みも提供する計画だ。
ハードウェア要件はIntelまたはAMDの64ビットプロセッサ、NVIDIAグラフィックカード、メモリ4GB以上、ディスク容量500GB以上、UEFIブートのサポート、インストール用のUSBポートとなっている。将来的にIntelとAMDのグラフィックカードもサポート予定という。
SteamOSはLinuxベースのゲーム向けOSを開発する計画を9月に明らかにしており、これに沿ったものとなる。Valveは先に、Linux支援団体のLinux Foundationにも加入している。
Valveは同日、Steam Machineについても、試作機を限定ベータテスターに出荷した。
米Valve Software
http://valvesoftware.com/
SteamOSダウンロード
http://repo.steampowered.com/download/