オープンソースSDNプロジェクトのOpenDaylightが初リリース、「Hydrogen」が登場
オープンソースのSDN(Software Defined Network)プラットフォームを開発するOpenDaylight Projectは2月4日、初のリリースとなる「Hydrogen」を公開した。利用用途に合わせて3種類のエディションが用意されている。
OpenDaylight Projectは、SDNプラットフォームのオープンソース実装を開発するプロジェクト。SDNはソフトウェアで柔軟に構成を変更できるネットワークシステムで、ハードウェアと密接に結びついていたネットワークを、仮想化技術などを用いてソフトウェアにより制御するというアプローチを目指す。プロジェクトは米Cisco Systems、米Red Hat、ネットワーク機器大手のスウェーデンEricssonらが中心となって2013年4月に発足し、Linux Foundationの下でホスティングされている。現在プラチナメンバー8社を含む33社が参加している。ライセンスはEclipse Public License(EPL)を採用する。
OpenDaylightはSDNを構築するためのプラットフォームで、主としてJavaで実装されている。ネットワーク機能の仮想化NFV(Network Function Virtualization)のベースとしての役割も持つ。これを利用して、企業、通信サービス事業者、機器メーカーらはこれを利用してSDNとNFVを実装できる。アーキテクチャとしては、仮想スイッチや物理デバイスインターフェイスなどのデータプレーン、コントローラープラットフォーム、ネットワークアプリケーションオーケストレーションなどで構成される。
予定より1か月遅れての公開となった初回リリースのHydrogen(バージョン1.0)では、機能を試してみたい個人や学術機関向けの「Base Edition」、データセンター向けの「Virtualization Edition」、通信事業者やサービス事業者向けの「Service Provider Edition」の3種類を用意する。
Base Editionに含まれるのは、モジュラー形式、拡張性、マルチプロトコルなどの特徴を持つOSGiベースのSDNコントローラーと、データプレーンとコントローラーの間に入るOpenFlow PluginやOVSDB(Open vSwitch Database Management Protocol)など。OpenFlowはバージョン1.3を実装する。OVSDBはOpenFlow設定プロトコルで、Open vSwitchやその他のOVSDBサーバーの設定や管理が可能。これに加え、JavaベースのツールYANG Toolsも用意する。
Virtualization Editionでは、Base Editionの機能に加えOpenFlowベースの仮想マルチテナントネットワーク技術、仮想オーバーレイの作成・管理、ワークロードの関係とサービスレベルを表現するAPI、DDos攻撃検出などのセキュリティとネットワーク管理アプリケーションが含まれる。
また、Service Provider Editionはワークロードの関係とサービスレベルを表現するAPI、LISP(Locator/identifier Separation Protocol)フローマッピングなどの機能がある。
OpenDaylightはプロジェクトのWebサイトより入手できる。
OpenDaylight Project
http://www.opendaylight.org/