米Black Duckが恒例の「オープンソースルーキー」を発表、Docker、OpenDaylight、Serverspecなどが入選

 米Black Duck Softwareは1月28日、2013年にスタートしたオープンソースから優秀なプロジェクトを選ぶ年次アワード「BlackDuck Open Source Rookies of the Year」を発表した。ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)の「OpenDaylight」や「Docker」など10のプロジェクトが選ばれた。

 Black Duck Open Source Rookies of the Yearは、過去1年に立ち上がったオープンソースプロジェクトの中から優れたもの10種を選ぶもの。毎年発表されており、今年で6回目となる。評価にあたっては、オープンソースプロジェクトの情報ネットワークの「Ohloh.net」、それにオープンソースプロジェクト包括的なメタデータ「Black Duck KnowledgeBase」のデータを元に、プロジェクトの活動、コミットのペース、プロジェクトチームの属性などから独自のスコア手法を用いて割り出した。

 今年のルーキーはクラウド、モバイル、プライバシー、ソーシャルメディア、モノのインターネット(Internet of Things)など、このところのトレンドを反映した分野から10種のプロジェクトが選ばれた。

 クラウドおよびソフトウェア仮想化では、アプリとその依存性をパッケージする仮想コンテナ技術の「Docker」、Linux FoundationがホスティングするSDNの「OpenDaylight Project」、サーバー環境のRSpecテストスクリプトを生成する「Serverspec」が選ばれた。中でもDockerはこのところ活発に動いており、今月に入りシリーズBラウンドで1500万ドル調達したこと、Red Hatの北米チャネル販売のトップを務めていたRoger Egan氏を起用したことなどを相次いで発表している。この分野は昨年のルーキー「Ansible」、2011年の「Salt」、それに「Chef」や「Puppet」といったオープンソースプロジェクトが多数立ち上がっており、ITインフラの実装管理のニーズにこたえてプロジェクトが立ち上がっていると評している。

 ソーシャルメディア分野では、洗練されたデザインと容易さを特徴とするブログプラットフォーム「Ghost」、コード学習支援としてクラウドソースでコードレビューを行う「Exercism」が選ばれた。また、ソーシャルメディアが生成するタイムラインベースのデータ向けの分散型時系列データベース「InfluxDB」も入っている。一方、プライバシー関連では、Androiモバイル端末上のアプリケーションの機密情報リークを予防するアプリ「XPrivacy」、安全を特徴とするIM/ビデオ会議サービス「Tox」が入選した。

 このほか、モバイル開発ではハイブリッドとネイティブ(iOSとAndroid)の両方のモバイルアプリ向けのテスト自動化フレームワーク「Appium」、そして欧州連合(EU)が支援するモノのインターネット向けの情報収集ミドルウェア「OpenIoT」がルーキーとなった。

 10種のルーキーに合わせて佳作も発表、今年はDOMノードの振る舞いをマッピングする軽量のコンポーネントベースのJavaScriptフレームワーク「Twitter Flight」が選ばれた。

米Black Duck Software
http://www.blackducksoftware.com/

Appium
http://appium.io/

Docker
https://www.docker.io/

Exercism
http://exercism.io/

Ghost
https://ghost.org/

InfluxDB
http://influxdb.org/

OpenDaylight Project
http://www.opendaylight.org/

OpenIoT
http://openiot.eu/

Serverspec
http://serverspec.org/

Tox
http://wiki.tox.im/Main_Page

XPrivacy
http://repo.xposed.info/module/biz.bokhorst.xprivacy

Twitter Flight
http://flightjs.github.io/