RHEL 5.10互換の「CentOS 5.10」リリース

 CentOS開発チームは10月19日、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)と互換性を持つフリーのLinuxディストリビューションCentOSのバージョン5系最新版「CentOS 5.10」をリリースした。「RHEL 5.10」と互換性があり、MySQL 5.5などRHEL 5.10の新機能が利用できる。

 CentOSはRHELとの完全なバイナリ互換を目指すディストリビューション。公開されているRHELのソースコードをベースに、商用パッケージや商標を除去してフリー化したもの。対応アーキテクチャはi386およびx86_64。

 CentOS 5.10は、CentOS 5系の最新版となる。10月1日のRHEL 5.10から3週間弱でのリリースとなり、MySQL 5.5およびMySQL 5.1がサポートされるなどのRHEL 5.10の新機能が加わっている。MySQL 5.5は2010年末にGAがリリースされており、InnoDBの統合、準同期レプリケーションなど多数の特徴を持つ。なお、MySQL 5.1を含んだ理由は5.5アップグレードに必要となるため。セキュリティアップデートは5.5系で行われるため、運用環境では5.1を利用しないよう警告している。

 このほかの新機能としては、gcc-librariesが加わった。libatomicとlibitmで構成され、一部のアトミック操作などで利用できるという。またpython-dateutilとpython-lxmlも含まれ、Hewlett-PackardのHP cciss RAIDドライバは最新のものにアップデートされている。このほか、Firefoxなど多数のパッケージがアップデートされている。

 一方、CentOS 5.8で導入したvirt-whoパッケージは削除した。virt-whoは仮想ゲスト情報をサブスクリプションマネージャーに報告する機能だが、CentOSはアップデートを受け取るサブスクリプション機構を持たず、virt-whoは利用されていないため、と理由を説明している。

 CentOSはプロジェクトのWebサイトより入手できる。RHEL 5.10互換ディストリビューションとしては、米Oracleが10月8日に「Oracle Linux 5.10」をリリース済み。Scientific Linuxからはまだリリースされていない。

 なお、CentOSの最新版は3月9日にリリースされたCentOS 6.4なっている。

CentOS
http://www.centos.org/