米Microsoft、ジェネリクスを導入した「TypeScript 0.9」をリリース
米Microsoftは6月18日、JavaScriptに静的型付けなどの機能を追加したプログラミング言語「TypeScript 0.9」をリリースした。1.0に向けたメジャーマイルストーンとなり、ジェネリクスといった新しい言語仕様など大規模アプリケーション開発向けの機能が導入されている。
TypeScriptはMicrosoftが2012年10月に発表したプログラミング言語。現在はプレビュー版として公開されている。ライセンスはApache License 2.0。JavaScriptに静的型付けなどの機能を加えたスーパーセットで、付属する「tsc」コマンドを使ってJavaScriptにコンパイルできる。JavaScriptの柔軟性を維持しつつ、高度なツールやエラー検出などの機能提供を目指す。すでに社内では「Bing」「Team Foundation Server」などの製品やサービスのプロダクション環境で利用されているという。あらゆるOS、Webブラウザに対応し、Node.jsのnpmよりインストールできるほか、Visual Studioのプラグインとしても提供されている。
TypeScript 0.9は過去最大のアップデートと報告している。新機能としては、リクエストが多かったというジェネリクスの導入がある。また、「export = <オブジェクト>」という形でモジュール外にエクスポートするオブジェクトを指定する文法や列挙型(enum)の実装、定数のオーバーロードといった機能も追加されている。
そのほか、多数のバグ修正やコンパイラの強化も行われている。Visual Studioで利用時の性能も改善した。アーキテクチャ変更によって大規模なコードベースに対しては編集の性能が改善した一方で、コマンドラインコンパイラは0.8よりも速度が劣化しているという。だが、この問題は一時的なもので0.9.1では改善すると述べている。
TypeScriptはプロジェクトのWebサイトより入手できる。
TypeScript
http://www.typescriptlang.org/
米Microsoft
http://www.microsoft.com/