米Sencha、性能強化やIE10サポートが加えられた「Sencha Touch 2.2」リリース

 米Senchaは4月15日、モバイル向けのWebアプリケーション開発フレームワーク「Sencha Touch 2.2」を発表した。「Internet Explorer 10」(IE10)サポートや性能強化などが行われている。

 Sencha TouchはHTML5ベースのモバイル端末向けWebサイト/Webアプリケーション開発フレームワーク。iOSおよびAndroid、Windows Phone、BlackBerryといった主要なモバイルプラットフォームに対応する。MVC(Model-View-Controller)アーキテクチャをベースとしたフレームワークで、50以上のコンポーネント、テーマなどを備える。GPLv3ライセンスを採用したオープンソース版と、商用版が提供されている。

 Sencha Touch 2.2は、2012年11月に公開されたバージョン2.1以来の最新版。IE10に初めて対応し、Windows Phone 8やWindows 8といったIE10搭載端末をサポートする。「BlackBerry 10」サポートも改善されている。また、WebKit専用のコードは削除され、標準的な規格のみでレイアウトやレンダリングを実現するように変更されている。テーマ機構も刷新され、より容易にアプリケーションの見栄えを変更できるという。プラットフォームごとに異なるテーマを指定することも可能。Microsoft風のスタイルを実現するテーマも用意された。

 イベントやアニメーション処理のハンドリングを行うAnimationQueueというシステムも導入された。HTML5 APIとJavaScriptタイマーを使い分け、また重たいタスクはCPUがアイドル状態になったときに処理を実行する、といったスケジューリング機能を持つという。これによりオペレーションの優先順位を付け、アプリケーションのレスポンスを維持するという。リスト表示コンポーネントの改善も行われ、DOMの軽量化により複雑なリストやテンプレートを表示する場合でも高速にスクロールできるという。これら性能関連の新機能は、同社が昨年末にHTML5を利用した高速なFacebookアプリのコンセプト「Fastbook」で披露したものという。

 このほか、レンダリングの速度を確認できる「showfps」デバッグオプションや、Senchaプロジェクト向けクロスプラットフォームのコマンドラインツール「Sencha Cmd」に含まれる「Sencha Mobile Packager」のネイティブサポートなども加わっている。

 Sencha Touch 2.2は、同社Webサイトより入手できる。なお、Senchaは2.2リリースにあわせて、デスクトップとモバイル向けの「Sencha Architect 2.2」も公開している。

Sencha Touch
http://www.sencha.com/products/touch

米Sencha
http://www.sencha.com/