MIDIに対応したオープンソースのDAW「Ardour 3.0」がリリース
Mac OS XおよびLinuxで動作するオープンソースのデジタルオーディオワークステーション(DAW)「Ardour」の開発チームは3月10日、メジャーアップデート版となる「Ardour 3.0」をリリースした。MIDIの録音/再生/編集機能が新たに搭載されるなど、多数の機能が加わっている。
Ardourはオーディオの録音やカット&ペースト、トリム、クロスフェードといった編集、イコライジングやエフェクトなどを含むミキシング機能を持つDAW。非破壊的な編集や制限無しのundo/redo、ハードウェアミキサー風のミキシング画面など一般的なDAWが備えている一通りの機能を搭載している。利用できるトラック数に制限はなく、またWAVやBWF、AIFF、CAF、FLACといったさまざまなフォーマットの音声ファイルを扱える。VSTやLV2、LADSPA、AudioUnit(Mac OS Xのみ)といったプラグインも利用可能。OSはLinuxおよびMac OS Xに対応、ライセンスはGPLv2。
3.0は2007年に公開されたバージョン2.0以来のメジャーバージョンアップとなる。最大の特徴はMIDIサポートで、MIDIトラックの録音や再生、編集が可能となった。オーディオワークフローとほぼ同様のMIDIワークフローを持ち、キーボードとマウスでほとんどの操作が可能という。
また、マルチCPU/コアサポートが強化され、複数のコアをDSPに利用できるようになった。DSPのために使用するコアと、グラフィック、MIDI処理、ディスクI/Oなど残りの作業のために使用するコアを別々に管理できる機能も搭載する。
入力と出力をマトリックス形式で管理できるマトリックスダイアログも加わった。このほか、エクスポートシステムも作り直し、一度に複数のフォーマットでのエクポートが可能となった。
開発チームによると3.0リリースの後、リリースサイクルを高速化し2~4週間で最新版を公開するという。なお、2系とは一定の後方互換性を持っているものの、2系で作成したデータは2系で作業するよう助言、3系で利用することは推奨していない。2系の最新版は2012年12月に公開されたバージョン2.8.16で、2系のサポートは今後も継続するという。
Linux版はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。Mac OS X版は数週間後に公開予定という。
Ardour
http://ardour.org/