高速なアプリ開発を支援するPHPベースの「CakePHP 2.3」がリリース、セキュリティなどを強化
Webアプリケーション開発フレームワーク「CakePHP」のコアチームは1月28日、最新版となる「CakePHP 2.3.0」をリリースした。セキュリティやキャッシュなど多数の強化が加わっている。
CakePHPはPHPで書かれた開発フレームワーク。MVC(モデル・ビュー・コントローラ)やモデル構築を容易にするORマッパーなど、現代的なWebアプリケーションフレームワークの機能を多く取り入れており、迅速なアプリケーション開発を支援する。ライセンスはMIT License。
CakePHP 2.3.0は、2012年7月に公開されたバージョン2.2.0以来のメジャーリリースとなる。CakePHP 2.2.5との完全互換を維持し、わずかな変更を加えるだけで2.3にアップグレードできるという。マイグレーションガイドも提供する。PHP 5.2サポートも継続するが、推奨されるPHPのバージョンはPHP 5.4となっている。
セキュリティ関連では、認証コンポーネント「AuthComponent」が強化され、ステートレスな認証メカニズムをより容易に実装できるようになっている。新しく導入されたプロパティ「AuthComponent::$unauthorizedRedirect」を設定することで、適切なアクセス権がない場合にリダイレクトを行う代わりに、適切なエラーをそのレスポンスとして返すような仕組みが提供される。ページネーションコンポーネントのPaginatorも強化し、カスタムのfindメソッドの利用を容易にするfindTypeオプションが導入されている。
キャッシュでは「File Engine」がデフォルトとなり、APCがインストールされていないなどの問題を解決するという。フルページキャッシュの保持も可能となった。モデルでは、bigintデータ型、MySQLのFULLTEXTインデックスに対応、Validation::fileSizeメソッドの追加などが行われている。なお、Model::findメソッドに「’first’」引数を与えて実行した際の挙動が変更されており、この場合レコードが見つからなかった場合に空の配列を返すようになった。この挙動変更に対応するよう、テストをアップデートするよう促している。
このほか、アプリケーション設定、ビューとヘルパー、ネットワークと電子メールなどでもさまざまな機能強化が加わっている。開発チームは、2.2系の最新版となる2.2.6も同日リリースしている。
Cake Software Foundation
http://cakefoundation.org/
CakePHP
http://cakephp.org/