「glibc 2.17」リリース、バグ修正や機能追加などを多数含む

 The GNU C Library(glibc)開発チームは12月25日、最新版となる「glibc 2.17」をリリースした。セキュリティ問題を含むバグを修正し、機能強化も行われている。

 glibcはGNUによる標準Cライブラリ実装。GNUシステムや多くのLinuxカーネルベースのシステムでCライブラリとして利用されている。高い移植性と性能を特徴とし、ISO C11、POSIX.1-2008などの標準をサポートする。ライセンスはGNU LGPL。

 バージョン2.17は6月末に公開された2.16以来の最新版となり、Linuxはカーネル2.6.16以降で利用できる。新たにARM AArch64アーキテクチャ(64ビット版ARM)をサポートしたほか、環境変数に安全にアクセスするためのsecure_getenv関数が新たに追加された。また、動的リンカに静的プローブ機能「SystemTap」が加わり、strstrや、strcasestr、memmemといった関数の最適化も行われている。

 cross-testingなどクロスコンパイル対応を強化し、設定オプションも拡充した。crypt関数の挙動が改善されたほか、従来はリンク時に-lrtオプションが必要だったclock_*関数群がメインのCライブラリに含まれるようになった。これにより、clock_gettime関数などのclock_*関数群を利用するためだけにpthreadsライブラリをロードする必要がなくなった。そのほか、これまで別途公開されていたアドオンポートは、メインの中の「ports」サブディレクトリに含まれるよう変更されている。

The GNU C Library
http://www.gnu.org/software/libc/