米Zend、PHPアプリフレームワーク「Zend Framework 2.0」をリリース
米Zendは9月6日(米国時間)、PHPアプリケーションフレームワーク「Zend Framework 2.0」を公開した。多くの改善を加えた大型アップデートで、新しいモジュールシステムやセキュリティなどを特徴とする。
Zend FrameworkはPHPによるWebアプリケーション開発のためのフレームワーク。再利用可能なコードやベストプラクティスにより、高速な開発を支援するという。ライセンスは修正BSDライセンス。Zend Framework 1.0がリリースされたのは2007年7月ということで、5年ぶりの大型リリースとなる。対応するPHPのバージョンは5.3以上。
Zend Framework 2.0ではモジュールシステムに大きな変更が加えられた。「ModuleManager」や「Module Autoloader」、「ModuleManager Listeners」の導入により、Model-View-Contoller(MVC)アーキテクチャの実現がより容易になっているという。PHPコードだけでなく、ライブラリコードやビュースクリプト、CSSやJavaScriptもモジュールとして管理・利用できる。
1系からの課題だったという依存性管理については、オブジェクトのライフサイクルや依存性を管理するIoC(制御の反転)コンテナ「ServiceManager」の導入によって問題を解決しているという。ワークフロー管理では、サブジェクト/オブサーバーパターン開発やアスペクト指向プログラミングの実装を支援する「EventManager」が加わった。
セキュリティも強化され、暗号化によるパスワードや機密情報の保護、HTTPクライアントでのデフォルトでのSSL認証、XMLドキュメント攻撃保護などのツールを用意する。HTML、CSS、JavaScript向けのエスケープ機能「Escaper」も導入、悪意あるリダイレクトとコードインジェクションを防御できるという。
アプリケーションサーバー「Zend Server」との統合も強化されたほか、HTTPスタック、ログやセッションなどのコンポーネントも書き直されている。
最新版はZendのWebサイトよりダウンロードできる。
米Zend
http://www.zend.com/
Zend Frameworkのダウンロード
http://framework.zend.com/downloads/latest
Zend FrameworkのGitリポジトリ
https://github.com/zendframework/zf2