「MongoDB 2.2」リリース、データの集計・操作機構など多数の新機能を追加
MongoDB開発チームは8月29日、オープンソースのドキュメント指向データベース「MongoDB 2.2」を公開した。最新の安定版という位置付けで、MapReduceやJavaScriptによるプログラミングなしにデータの集計や操作を可能とする「Aggregation Framework」をはじめ、多数の新機能が加わっている。
MongoDBはC++で実装されたKey-Valueストア型データベースシステム。クエリ操作にSQLを使用しない「NoSQL」型データベースであり、その速度や軽量さによって注目を集めている。MongoDB 2.2は2011年9月にリリースされたバージョン2.0に次ぐ安定版で、コードの変更なしに旧バージョンからの置き換えを行えるとしている。
MongoDB 2.2では柔軟性と性能改善にフォーカスし、新機能やバグ修正など合計で1000以上の機能強化が加わったという。データ処理や操作性を強化する機構である「Aggregation Framework」が新たに実装されたほか、地理的に分散されたデータセンター内で配置されるケースも考慮した読み出し設定やシャーディングインターフェイス、タグによるシャーディングなどが実装された。並列性も強化され、Global Lockを排除した新しいロッキングメカニズムによって、頻繁にディスクI/Oオペレーションが必要なワークロードの性能を改善するという。
Aggregation Frameworkは保存されたデータに対しさまざまな処理や操作を行うもので、従来はJavaScriptで実装していたような集計処理をMongoDBにコマンドを発行することで実行できるようになる。いくつかのコンポーネントから構成されており、処理結果を次の処理に渡すためのパイプ機能も用意されている。分析やレポートのパフォーマンスについて、MapReduce併用時と比べて最大で80%の改善が図れるとのこと。
MongoDBのWebサイトではWindows、Mac OS X、Linux、Solaris向けのバイナリおよびソースコードが公開されている。ライセンスはAGPL。
MongoDB
http://www.mongodb.org/