サーバーサイドJavaScript環境を含むアプリケーションプラットフォーム「Wakanda」、初の安定版をリリース
7月2日、オープンソースのJavaScriptアプリケーションプラットフォーム「Wakanda Production Release 2」がリリースされた。WakandaはJavaScript実行環境を含むサーバー「Wakanda Server」とJavaScriptライブラリ「Wakanda Framework」、開発環境「Wakanda Studio」などから構成されるJavaScriptアプリケーションプラットフォーム。サーバーサイドとクライアントサイドの両方をJavaScriptで実装することで、さまざまなデバイスに向けたアプリケーション開発を高速に行えるという。 Mac OS X、Linux、Windowsに対応、プロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。
Wakandaは仏4Dが開発するアプリケーションプラットフォームで、商用版およびオープンソース版が提供されている。開発環境とサーバー、そしてフレームワークを一括して提供しているのが特徴。開発環境であるWakanda StudioではグラフィカルにHTML5およびCSS3を使ったWebアプリケーションを設計・実装でき、また作成したアプリケーションはワンクリックでWakanda Serverにロードできるという。
サーバー環境であるWakanda ServerはNoSQL型のオブジェクトデータベース「WakandaDB」やWebKitで採用されている「Squirrelfish」ベースのJavaScript実行エンジン、HTTPサーバー機能が統合されたもの。Webアプリケーションに必要なすべての機能を提供できるという。また、Wakanda Frameworkはウィジェットやデータストアアクセス機能などを含むJavaScriptライブラリで、クライアントとWakanda Server間の通信機能やクライアント上のウィジェットインターフェイスなどを提供する。
Wakanda Production Release 2は、Wakanda初のプロダクション(実用に耐えうる安定版)リリースとなる。ライセンスはWakanda FrameworkがGPLv3、Wakanda ServerがAGPLv3。Wakanda Studioのソースコードは現時点では公開されていない模様。
新機能としては、Wakanda Studioでのモバイル開発サポートがある。モバイル用のウィジェットやタッチイベント管理、モバイル向けデバイススキン「Apple Cupertino」などの機能を利用できるという。モデルデザイナー、GUIデザイナー、コードエディタなども強化された。ソリューションやプロジェクト設定エディタが加わり、またコンソールからのJavaScript実行にも対応した。Wakanda Serverでは、HTTPサーバーでSSL/TLSに対応、サーバーサイドJavaScript APIやモジュールも強化された。
ダウンロードページではWindows(32ビットおよび64ビット)、Mac OS X(64ビット)、Linux(64ビット)向けのバイナリがリリースされている。ただし、Wakanda StudioについてはWindowsおよびMac OS X向けのみのリリースとなる。また、ソースコードについてはGitHubで公開されている。
Wakanda
http://www.wakanda.org/