静的型チェック機能などが追加された「Groovy 2.0」がリリース

 Javaプラットフォーム向けの動的言語「Groovy」の開発チームは6月28日、最新版「Groovy 2.0」をリリースした。静的型チェック機構などの機能が追加されている。

 GroovyはJava仮想マシン(JVM)上で動作するプログラミング言語で、Java風の文法をベースに、RubyやPythonといった動的言語の機能を取り込んでいる。ドメイン固有言語(DSL)のサポートやシンプルな文法を持ち、簡潔で読みやすいコードを書けるという。ライセンスはApache License 2.0。Groovyは米SpringSourceのプロジェクトとして運営されている。

 最新版は当初、バージョン1.9として開発が進んでいたもの。いままでは多くの機能強化を加えたものを「2.0」としてリリースする予定だったが、1.9の次のバージョンを「1.10」とすることを嫌い、バージョン 2.0としてリリースすることになったという。ロードマップも変更され、今後は定期的に新しいメジャーバージョンをリリースしていく予定とのこと。

 Groovy 2.0の特徴は、静的型チェック機構の導入や静的コンパイル機能、モジュラー化、JDK 7強化などがある。静的型チェック機能は、GroovyがJavaアプリケーションから実行されるスクリプト言語として利用されていることを受けて導入した機能。これを利用して、typoや戻り値のチェックはじめとしたコードのエラー修正が容易になるという。

 また、JDK 7の動的型付け言語機能「invokedynamic」をサポートしたことにより、動的呼び出しの性能も改善されるという。Project Coinのシンタックスサポートも強化した。

 Groovy JARのモジュラー化も進められており、機能別のモジュール構造が取られるようになった。これにより、GroovyのJARサイズを減らし、移植性をが高まったという。独自拡張機能の構築も容易になった。

 Groovy 2.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

米SpringSource
http://www.springsource.com/

Groovyのプロジェクトページ
http://groovy.codehaus.org/