VLC 2.0リリース、Blu-rayビデオの実験的サポートやMac版のUI変更などが特徴

 VideoLAN Organizationは2月18日、オープンソースのマルチメディアプレイヤー「VLC 2.0」(開発コード「Twoflower」)をリリースした。Mac版のユーザーインターフェイス一新やBlu-rayビデオ再生の実験的サポートなど、多くの機能が加わっている。

 VLCは動画や音声といったマルチメディアファイルを再生できるクロスプラットフォーム対応のメディアプレイヤー。MPEG-1/2/4やDivX、MP3、OGG、DVD、ビデオCDなどさまざまなメディアコンテナ/コーデックをサポートし、各種ストリーミングプロトコルにも対応する。元々はフランスの高等教育機関でスタートしたプロジェクトで、現在は非営利団体のVideoLAN Organizationが母体となる。VLC 1.1系では4億8500万回以上のダウンロードがあったという。最新版では約160人のボランティア開発者から合計7000以上のコミットがあったと報告している。

 VLC 2.0では、マルチコアCPUやGPU、モバイルハードウェアなどのサポートを強化し、デコードがより高速になったという。また、対応フォーマットも拡充され、HDコーデックや10ビットコーデックもサポートされている。

 動画関連の機能では、出力関連処理がリライトされ、GPU処理による字幕描画が可能となったという。また、色変換処理をOpenGLのシェーダーで行う機能も追加された。フィルタやインタレース除去処理なども改善されている。

 H.264やMPEG-4/Xvid、WebMに対しマルチスレッドでのデコード処理をサポートしたほか、10ビットコーデックやWMCイメージなどへの対応、RealとRealVideoフォーマットサポートの改善が特徴となる。JPEG、PNGなどの画像イメージサポートも強化された。

 また、Blu-Rayディスクの実験サポートも行われている。ただし法的な問題により、AACSやBD+ DRMといった著作権保護関連機能や再生に必要な鍵情報などは含まれていない。

 Mac版ではインターフェイスが一新され、これまでの簡素なデザインからプレイリストを統合した2ペインウィンドウとなった。拡張機能もサポートし、Lionとの統合も強化した。ウィンドウの色もグレイとブラックの2色から選択できるという。

 このほか、安定性強化や統合性の強化のためにWebプラグインのリライトも行われているという。

 なお、VLCのコアエンジンであるlibVLCおよびlibVLCcore、kubcompatについてはライセンスの変更作業が行われており、従来のGPLからLGPL v2.1に変更されている。

 VLC Media Player 2.0はWindowsおよびMac OS X 10.5以上、Linuxに対応、Windows版とMac OS版のバイナリパッケージやソースコードなどがプロジェクトのWebサイトより入手できる。

VLC 2.0のメインウィンドウ
VLC 2.0のメインウィンドウ

VideoLAN Organization
http://www.videolan.org/