軽量ディスプレイサーバー「Wayland」とそのリファレンス実装「Weston」、初のリリースとなるバージョン0.85公開
ディスプレイサーバー「Wayland」を開発するKristian Hogsberg氏は2月9日、「Wayland 0.85.0」を公開した。「wayland sample compositor」と呼ばれていたリファレンス実装「Weston」も同時に公開、年内に向けた正式版リリースに向け一歩前進した。
Waylandは、2008年に米Red Hatに勤務していたHogsberg氏(現在は米Intel所属)がスタートしたプロジェクト。Waylandはディスプレイサーバーとクライアントとの間のプロトコル/IRCメカニズムで、WestonはWaylandを用いて画面表示を行うソフトウェア(compositor)のリファレンス実装となる。モダンなソフトウェアアーキテクチャへの対応、軽量などを特徴としており、WestonはLinuxカーネル上で直接動作する(Kernel Mode Setting)だけでなく、Xサーバー上でXクライアントとして動かすことも可能。
WaylabdはX Windows Systemの代替となるとも言われているが、Hogsberg氏はFAQで、「Xは今後も利用され、Waylandと共存するだろう」との見通しを示している。
公開された0.85.0は、実質的には初めてのリリースとなる。Hogsberg氏によると、1.0までに多数の変更を予定しているが、プロトコルとインターフェイスの両方で0.85系は安定ポイントになるとしている。
ともにプロジェクトのWebサイトよりコードをダウンロードできる。ライセンスはMIT License。
Waylandプロジェクト
http://wayland.freedesktop.org/