W3C、Cookieによる追跡を拒否できるプライバシー標準規格のドラフト1を公開
World Wide Web Consortium(W3C)は11月14日、「Tracking Preference Expression」仕様のドラフト1を公開した。ユーザーがCookieなどによる追跡を希望しないことを通知するための仕様で、「DNT(Do Not Track)」などとも呼ばれているもの。確立に向けて一歩進んだことになる。
W3Cが公開したのは、Tracking Preference Expressionおよび「Tracking Compliance and Scope」の2つのドラフト。Cookieなどの技術を利用したオンライン上の行動追跡をユーザーが望まないことを通知し、Webサイト側がこれに従うための規格で、Tracking Protection Working Groupという作業部会で仕様策定が進んでいる。「ユーザーがオンライン追跡について自分の好みと選択を明示する標準、それにサービス側がこれに従うメカニズムを策定することで、プライバシーと透明性への懸念に対応する」と作業部会は説明している。
作業部会には、Mozilla、米Google、米Apple、米Microsoft、ノルウェーOpera Softwareなどのブラウザベンダーや米IBM、米Facebookなどが参加しており、公開されたドラフトにはユーザー設定、追跡設定の表現、サービス側の対応などが含まれている。
Do Not Trackはすでに、Mozillaの「Firefox」、Microsoftの「Internet Explorer 9」(ベータ)などで搭載されており、リクエストヘッダにDNTが加わっている。
公開したドラフトを基に、2012年6月にW3C勧告となることを目指す。作業部会はTracking Preference ExpressionとTracking Preference Expression Definitions and Complianceのほか、追跡防止リスト「Tracking Selectoin Lists」 についても、ドラフトなどの作業を進めることになっている。
World Wide Web Consortium(W3C)
http://www.w3.org/
Tracking Protecton Working Group
http://www.w3.org/2011/tracking-protection/