米IBMらがマシン間通信プロトコル「MQTT」を公開、Eclipseプロジェクト「Paho」を提案

 センサーや端末といったマシン同士が通信するマシン間通信(M2M)の時代に向け、米IBMらがプロトコル「MQTT」のクライアントコードをEclipse Foundationに寄贈、新プロジェクト「Paho」を提案した。

 MQTTは「Messge Queuing Telemetry Transport」の略で、TCP/IPをべースとしたパブリッシュ/サブスクライブプロトコル。容易に実装でき、コンパクトなヘッダを採用するなど効率の良さを特徴とする。IBMは1999年に伊Eurotech Groupと共同でドラフト仕様を作成、2010年にロイヤリティフリーとして公開した。米Facebookもモバイルメッセージアプリで利用するなど、すでに採用事例があるという。

 Pahoは、MQTTのオープンソース実装の提供を目標とする。IBMはJavaとCで実装されたMQTTクライアントをEclipseに寄贈しており、Eurotechもフレームワーク実装とサンプルアプリケーションを寄贈することになっている。Pahoの下でMQTTを効果的に利用できるツールの開発などを進め、M2M通信と相互運用のための標準となることを目指す。M2Mの開発や実装が行えるツール「Koneki」など、ほかのEclipseプロジェクトとも協業を図るとしている。

 IBMとEurotechはまた、Konekiプロジェクトを立ち上げた米Sierra Wirelessとともに、Eclipse内で作業部会「Machine-to-Machine Industry Workin Group」を結成したことも発表した。

 プロジェクトの提案書によると、MQTTのJavaとCクライアントコードの安定版は12月中旬にリリースする予定としている。

米IBM
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伊Eurotech
http://www.eurotech.com/

Eclipse Foundation
http://eclipse.org/