「Apache Subversion 1.7」リリース、ワーキングコピーのメタデータ管理方法を変更
Apache Software Foundation(ASF)は10月11日、バージョン管理システム「Apache Subversion 1.7」をリリースした。2年7か月ぶりとなるメジャーリリースで、ワーキングコピーのディレクトリ構造の変更や性能改善が行われている。
Subversionはオープンソースの集中型バージョン管理システム。オープンソースソフトウェアの開発だけでなく、一般的なソフトウェア開発でも広く使われている。当初米CollabNetが支援するオープンソースプロジェクトとして開発が進められたが、2009年にASFに寄贈、2010年にASFのトッププロジェクトとなった。バージョン1.7は、ASFの下で公開される初のメジャーリリースとなる。
Subversion 1.7の最大の特徴は、「WC-NG(Working Copy Next Generation)」と呼ばれるワーキングコピー管理システムの刷新となる。従来はワーキングコピーのサブディレクトリすべてに管理用の「.svn」ディレクトリが作成されていたが、1.7ではワーキングコピーのルートディレクトリにのみに.svnディレクトリが作成され、ここにすべてのメタデータが格納される。新しい構造により性能が改善されるほか、今後複数の新機能を提供できるとしている。なお、旧バージョンで作成されたワーキングコピーについては手動でアップグレード処理を行うことでワーキングコピーフォーマットを更新できるとのこと。
また、HTTPプロトコルでの通信パフォーマンスが改善されたほか、新ツール「svndump」および「svn patch」が加わった。svndumpは「svnadmin dump」や「svnadmin load」の機能を複製しつつ、リモートにあるレポジトリで動作するダンプファイルツール。svn patchは、unidiff形式でパッチを当てるサブコマンドとなる。
開発チームでは、1.7は旧バージョンと互換性があるとしているが、サーバーとクライアントの両方が最新版ではない場合は一部機能が利用できないこともある、と注意している。
Apache Subversion
http://subversion.apache.org/