Subversion関連サービスを提供する米WANDisco、Subversion改革計画を発表

 米WANDiscoは12月20日(米国時間)、オープンソースのバージョン管理システム「Apache Subversion」の大改革計画を発表した。Subversionの欠点とされるブランチとマージの2つの課題を改善するという。

 Subversionは米CollabNetが開始したバージョン管理システムプロジェクト。2009年にApache Software Foundation(ASF)下のプロジェクトとなった。WANDiscoは、企業向けにSubversionベースのエンタープライズ版やサポートなどのサービスを提供するベンダー。Subversionプロジェクトのアクティブ開発者の多くが同社のスタッフという。

 イニシアティブでの強化分野はブランチとマージに関連するもの。具体的には、1)マージパフォーマンスの改善、2)マージ中ツリーの衝突を避けるためのリネーム追跡、3)「svn blame -g」の強化、4)インポート機能強化、など。1)では、ユーザーが1つのブランチでコミットした全ての変更を他のブランチに適用するなどのことを可能にする計画という。

 今回のSubversion改革イニシアティブは、WANDiscoが自社で開催したイベントで決定した。このイベントには、米Intel、米Juniper Networksなど10社が参加、ユーザー数にして約4万人をカバーするという。

 WANDisco側は、イニシアティブはフォークではない点を強調、GITなど他のバージョン管理システムと比較した際に、Subversionがブランチとマージで劣っているという批判を受けてきたことを背景に挙げている。これらの「欠点」は以前からコミュニティでも課題となっているが、取り組みがなかなか進まなかったことも指摘している。

 イニシアティブは「Subversion 1.7」公開後に着手し、2011年中に完成を見込む。ロードマップでは、バージョン1.7は2011年第1四半期中にリリースとなっている。WANDiscoでは外部開発者の参加も歓迎している。

米WANDisco
http://www.wandisco.com/

Apache Subversion
http://subversion.apache.org/