米国家安全保障局、高い柔軟性をうたうKey-Valueストア「Accumulo」をApacheプロジェクトに寄贈する提案

 米国家安全保障局(NSA)が「Accumulo」を非営利団体Apache Software Foundation(ASF)に寄贈することを提案した。Accumuloは米Googleの「BigTable」の設計に基づき「Apache Hadoop」を用いて実装された分散型Key-Valueストアで、柔軟性や細かなアクセス管理機能などが特徴という。

 NSAが9月4日に公開した提案書によると、AccumuloはNSAが2008年春に開始したプロジェクトで、BigTable設計を利用した分散Key-Valueストアとのこと。大規模データ向け分散処理フレームワーク「Apache Hadoop」、それに「Apache ZooKeeper」と「Apache Thrift」などの技術をベースとする。Apache ZooKeeperは分散アプリケーション向けのコーディネーションサービスで、Apache Thriftは米Facebookが寄贈した拡張性のある言語間サービス開発向けフレームワーク。

 BigTableの設計に影響を受けたKey-Valueストアはいくつかあるが、Accumuloの特徴としては、細かなアクセス管理が可能な点と、キー/値のペアをさまざまに加工できるサーバーサイドプログラミング機構が挙げられる。提案書では、政府、ヘルスケアなどプライバシーを重視する業界で関心が高いとする予想を記している。

 20万行以上のコード(多くがJava)、100以上のページにわたるドキュメンテーションがあり、百人単位の開発者が利用しているという。

 提案が認められれば、AccumuloはASFのインキュベータープロジェクトとしてスタートすることになる。

米国家安全保障局
http://www.nsa.gov/

Apache Software Foundation
http://www.apache.org/