FSF欧州とgpl-violationのWelte氏、ドイツ企業のファームウェア改変禁止はGPL違反とコメント
非営利団体Free Software Foundation Europe(FSFE)は6月20日(ドイツ時間)、ドイツ企業間のGPL訴訟に関する意見書を発表した。Linuxを含むファームウェアの改変を禁じるDSLルーター企業側の行為に対し、「フリーソフトウェアの主義への攻撃」と主張している。
この訴訟は、ドイツのDSLルーター企業AVM Computersysteme Vertriebs(AVM)が子ども用フィルタリングソフトウェアベンダー独Cybitsを相手取って起こしたもの。AVMは、Cybitsが自社ルーターのファームウェアの一部を改変することは著作権侵害にあたるとして、2010年1月にCybitsを提訴、主張が認められた。
Cybitsは、両社がLinuxカーネルと合わせて利用するnetfilter/iptablesの作者であり、GPL侵害に関するプロジェクトgpl-violations.orgも展開しているHarald Walte氏の協力を得て上訴、同年9月、ベルリン地区の上訴院はこれを認める暫定的命令を出した。ベルリンの地区裁判所は現地時間6月21日にこの件に関する判決を下すことになっている。
Free Software Foundationの欧州支部であるFSFEは、この訴訟の動向は今後ソフトウェアの開発と再配布に大きな影響を与えるとして、Walte氏と共同でCybitsの主張を支持する意見を表明している。「AVMの行為はフリーソフトウェアの根本土台を攻撃するものだ」とFSFEのドイツ担当コーディネーター、Mathias Kirschner氏はコメントしている。
Free Software Foundation Europe
http://fsfe.org/
gpl-violations.org
http://gpl-violations.org/