Mozillaが企業ユーザー向けのワーキンググループを立ち上げ、高速リリースなど課題を議論

 Mozillaは7月19日、企業ユーザー向け作業部会「Mozilla Enterprise User Working Group」を再度立ち上げることを発表した。高速リリース採用によりMozillaと企業ユーザーの意見が対立しかけたが、Firefox実装における課題について議論する場にしていきたいという。

 MozillaはFirefox 4をリリース以降、リリースサイクルを短縮し、6週間おきに最新版をリリースする新しい開発プロセスを導入している。リリースサイクル短縮化は最新機能の迅速な導入を図るものだが、その後、企業ユーザーにとってはWebアプリケーションのテストと実装の作業負担が増えると指摘が出た。だが6月、この問題を取り上げた独立コンサルタントMike Kaply氏のブログに対し、MozillaのAsa Dotzler氏はコメント欄で、「Firefoxのダウンロード数は1日約200万件あり企業ユーザーは取るに足りない」、「エンタープライズは、これまでにもわれわれのフォーカスではなかった」と書き込んだことが大きな反響を呼んだ。

 Mozillaは今回、「どのようなユーザーであれ、われわれはユーザーのことを大切にしている」とし、活動を停止していたEnterprise User Working Groupを再開する。エンタープライズ開発者やIT管理者などの企業ユーザーとMozillaがFirefoxの実装について課題、意見、ベストプラクティスを話し合う場にしたいと趣旨を説明し、参加を呼びかけている。次のミーティングでは、問題となった高速リリースについて話し合う計画という。

 同作業部会での議論は非公開だが、議論のサマリーは公開するという。

Mozilla
http://www.mozilla.org/

Mozilla Enterprise User Working Group
https://wiki.mozilla.org/Enterprise