Firefoxの頻繁なアップデートを望まないユーザーに向けた「Extended Support Release(ESR)」計画をMozillaが公開

 Mozillaは1月10日、企業ユーザー向け作業部会で検討している企業・団体向けFirefoxリリース「Extended Support Release(ESR)」に関する計画案をWikiにて公開した。Firefoxの頻繁なアップデートを望まないユーザーに向けたものとなる。

 ESRは、企業、大学、公共機関など一括でFirefoxの導入を行い、頻繁なアップデートを望まないユーザー向けリリースとなる。Mozillaは2011年にFirefoxのリリースサイクルを短縮し、約6週間おきに最新版をリリースしている。これによっていち早く最新機能をユーザーに提供できるものの、法人ユーザーからは作業負担が増える、などの不満の声が上がっていた。Mozillaは2011年7月、企業向けの開発者やIT管理者らを中心とする企業ユーザー向け作業部会(Mozilla Enterprise User Working Group)を再度立ち上げ、この問題について議論を続けていた。

 ESRはデスクトップ版Firefoxの正式版をベースに、一般向けリリースの9サイクル期間(6週間×9=54週間)メンテナンスが行われる。その間もアップデートリリースは通常のFirefoxと同様に提供されるが、Webブラウザ本体やFirefoxアドオンプラットフォーム側の変更はなく、セキュリティアップデートのみが提供される。

 バージョンアップは現行版ESRのリリースが8サイクル目となったときに行われ、リリースサイクル2回分(12週間)のオーバーラップ期間を設ける。この期間があれば、テストや認定に十分ではないかとしている。

 現在の計画では1月末リリース予定のFirefox 10が最初のESRの土台となる予定。まずは Firefox 10を土台とするESR 10.0がリリースされ、Firefox 11のリリース時にESR 10.0.1が、Firefox 12のリリース時にESR 10.0.2がリリースされる。7サイクル目となるESR 10.0.7リリース時にはFirefox 17をベースとしたESR 17.0も同時にリリースされ、Firefox 18と同時にリリースされるESR 10.0.8が10系の最後のリリースとなる(同時にESR 17系2回目のリリースとなる17.0.1もリリースされる)、という流れを提案している。

 MozillaのJay Sullivan氏は企業ユーザーらに対し、同作業部会に参加して議論に加わるよう呼びかけている。

Mozilla
http://www.mozilla.org/