米OracleがOpenOffice.orgの方針を変換、商用版の提供を終了へ
米Oracleは4月15日(米国時間)、オープンソースのオフィススイート「OpenOffice.org」の新しい方針を発表した。OpenOffice.orgは純粋なコミュニティベースのプロジェクトとなり、Oracleは商用版の提供を終了する。
OpenOffice.orgは米Sun Microsystemsが進めてきたフリー/オープンソースのオフィススイート・プロジェクトおよび製品名。Oracleが2010年1月に同社を買収したことで、Oracleのプロジェクトとなった。Oracleは2010年12月、有償の商用版「Oracle Open Office 3.3」を発表している。
新しい方針の下では、OpenOffice.orgは完全にコミュニティベースのプロジェクトとなる。Oracleの事業計画担当最高責任者Edward Screven氏は「フリーの個人用生産性アプリケーションに対する深い関心、それにパーソナルコンピューティング技術の高速な進化を考慮すると、非商用ベースで幅広い支持者に応じる組織がOpenOffice.orgプロジェクトを管理することが最善だと判断した」と説明している。これにより、商用版OpenOffice.orgの提供は終了となる。Oracleでは、新体制に向けた移行作業をすぐに開始するとしている。
Oracleは今後も、OpenOffice.orgが採用するオフィスフォーマット「Open Document Format(ODF)」への支援を継続するという。また、「MySQLやLinuxなど、顧客にとって戦略的なオープンソース技術への大規模な投資も継続する」とも記している。
一方、OpenOffice.orgの主要開発者らはすでに、OracleによるSun買収後の2010年9月にフォークプロジェクト「LibreOffice」を立ち上げている。LibreOfficeの母体であるThe Document Foundationは2011年1月、初の安定版「LibreOffice 3.3」をリリースしている。
米Oracle
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OpenOffice.org
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