オープンソースハードウェアの定義「Open Source Hardware(OSHW)」がバージョン1.0に
オープンソース形式の設計を持つハードウェアを定義する「Open Source Hardware(OSHW)」の初の安定版が公開された。雑誌『Wired』編集長のChris Anderson氏など、約100人が賛同を寄せている。
OSHWを定義するという試みは、2010年7月に正式にスタートした。マサチューセッツ工科大学(MIT)、Anderson氏、雑誌『MAKE:』のPhillip Torrone氏、Creative CommonsのAyah Bdeir氏らが中心となり、作成が進んでいる。定義は、Open Source Initiative(OSI)によるオープンソースソフトウェア定義、Creative Commons、TAPR Open Hardware Licenseを土台としている。
バージョン1では、オープンソースハードウェアという用語を定義するための原則となる「Open Source Hardware (OSHW) Statement of Principles 1.0」と定義「Open Source Hardware (OSHW) Definition 1.0」が公開されている。
原則部分では、オープンソースハードウェアとは、「設計が一般に公開されており、誰もが調べ、改変、頒布、利用でき、その設計を土台としたハードウェアの設計を販売できるもの」とし、「ユーザーは自分の技術をコントロールでき、同時に設計をオープンにすることで知識の共有と商業を奨励する」とも記している。
定義では、ハードウェアとソフトウェアの違いに触れ、OSHWライセンスの下でアイテム(製品)を製造する個人や企業は、オリジナルの設計者が製品を製造、販売、保証する制限を示唆しないこと、所有する商標を利用しないことなどが義務付けられている。
オープンソースハードウェアを満たすものとして、ドキュメンテーション、スコープ、必要なソフトウェア、派生物、フリーな再分配、帰属、個人やグループに対する差別の禁止、利用分野に対する差別の禁止、ライセンスの分配、特定製品でのみ有効なライセンスの禁止、他のハードウェアやソフトウェアを制限するライセンスの禁止、ライセンスの技術中立性の12項目を挙げている。
その後、「フリーの文化的作業物」について定義したDeginition 1.1がリリースされている。それによると、定義そのものはライセンスではなく、成果物やライセンスが「フリー」といえるかの判断を支援するツールとうたっている。
「Open Source Hardware Definition」
http://freedomdefined.org/Definition