オープンソースの自作マイコンシステムArduino、ソフトウェアバージョン1.0がリリースされる
オープンソースのコンピュータツールキットを開発するArduinoチームは11月30日、Arduino向けのソフトウェア開発環境「Arduino 1.0」をリリースした。
ArduinoはAVRベースのプロセッサを搭載したマイコンキット。製品のプロトタイピングに利用できるだけでなく、アーティストやデザイナ、ホビーユーザーなどさまざまなユーザーに向け、低価格で柔軟性のある環境を提供している。回路などのハードウェア設計情報はCreative Commonsライセンスで提供され、ArduinoはプログラミングにC/C++に似た独自言語を利用するようになっており、またプログラムを「スケッチ」と読んでいる。これら開発環境やライブラリについてはGPL 2で提供されている。
今回リリースされたArduino 1.0には、統合開発環境およびコアライブラリが含まれている。開発環境はプログラミング言語のProcessingを土台とするJavaベースのSDKで、これまで23回のリリースを経ている。Arduinoは10月、1.0のリリースを発表するとともに、リリース候補(RC)版を公開していた。カラースキーム、ツールバーアイコン、プログレスバーなどが加わり、たとえばチェックマークアイコンを利用して、スケッチをコンパイルするなどのことができるという。ファイルの拡張子は、Processingとのコンフリクトを避けるために.pdeから.ino(Arduinoの最後の3文字を取った)に変更されている。
標準ライブラリでも多数の改善が図られた。非同期のシリアル通信に対応、Serial.print()などの関数ではデータをバッファに格納し、バックグラウンドで通信が行われるようになった。
また、SoftwareSerialクラスを再実装し、複数のインスタンスに同時対応できるようになった。Stringクラスも再実装され、イーサネットライブラリではDHCPとDNSのサポートが追加された。なおイーサネットライブラリではクラスの名称変更も行われている。このほか、Wire、SDなどのライブラリも強化されている。Arduino Uno R3、Arduino Mega 2560などの新ハードウェアにも完全対応した。
Arduino IDE 1.0はArduinoの公式サイトよりダウンロードできる。
Arduino
http://arduino.cc/