CERN、オープンソースハードウェア向けのライセンス「OHL」の新版を公開
欧州原子核研究機構(CERN)は7月7日(スイス時間)、オープンソースハードウェアに対する取り組みを開始すると発表した。コミュニティ間でハードウェアに関する知識の共有を可能にする法的枠組みとして「Open Hardware License 1.1(OHL 1.1)」をリリースしている。
OHLは、配線略図、回路や回路基板、製図、フローチャートなどハードウェア設計に関するドキュメンテーションの使用、複製、修正、配布に関する法的枠組みを記載したもの。
CERNは2011年3月にOpen Hardware Repository(OHR)を立ち上げ、OHLのバージョン1.0を公開していた。バージョン1.0は実験物理学に関する研究機関で研究や作業を行う電子機器設計者をターゲットとしたが、今回公開した1.1では1.0のフィードバックを受け、CERN以外でも容易に利用できるよう汎用性を持たせたという。広く普及しているフリー/オープンソース動向の主義に倣ったものとCERNは説明している。2011年2月に公開された「Open Source Hardware(OSHW)」との互換性もある。
CERNでは「オープンソースハードウェア」「オープンハードウェア」はフリーソフトウェアおよびオープンソースソフトウェアほど広まっていないが、誰もがソースを見ることができるという点で同じ主義を共有すると説明している。CERNのエンジニアでOHRを立ち上げたJavier Serrano氏は、「設計をオープンに共有することで、コミュニティのレビューを得られるため、設計の質を高めることができる。また、ユーザーに閲覧、修正、製造の自由を保証を提供することで、ハードウェアを改善できる」と期待を寄せている。
欧州原子核研究機構(CERN)
http://www.cern.ch/
Open Hardware Repository
http://www.ohwr.org/