Apache Software Foundation、約束どおりJCP ECを脱会

 Apache Software Foundation(ASF)は12月9日、Java SE/EEエグゼクティブ・コミッティ(EC)を脱会したことを発表した。先に行われたECによる投票で、Java 7とJava 8の仕様が承認されたことを受けてのもの。長年ECを務めてきたASFがいなくなることで、JCPの信頼性が損なわれる可能性がある。

 Oracleは12月7日、Java 7およびJava 8のロードマップがエグゼクティブ・コミッティ(EC)により承認されたことを発表している。ASFは反対票を投じたが、賛成多数で可決。反対したのは、ASFのほかに米Google、個人開発者のTom Peierls氏の3票。Peierls氏は、12月7日付けでEC脱会を明らかにしている。

 ASFはApache Harmony、Apache Tomcat、Ant、Geronimo、VelocityなどのJavaが関連したプロジェクトを持ち、10年前よりECを務めてきた。その間4回、優秀な会員に与えられる「JCP Member of the Year」を受賞している。

 ASFは11月、Harmonyに対してテストキット(TCK)のライセンスを拒否するOracleに対し、Java Specification Participation Agreement(JSPA)の下でJava SE用TCKをライセンスしてHarmonyをテストしApache Licenseの下で配布する権利があると主張、「Java仕様を実装する権利がJCP ECにより守られないのであれば、JCPとの関係を打ち切る」と不満を表明していた。

 ASFは先に行われたJava 7とJava 8の仕様に関する投票は、「オープンな仕様プロセスとしてJCPを守る意志がECにあることを示す最後のチャンスだった」とし、今回の投票結果について遺憾の意を示している。そして、ECは、1)実装する権利があることを主張するのを拒否した、2)OracleのJava SE7でのTCKライセンス条項を認めることでJCPのライセンス構造との一貫性を欠いた、の2点で過ちを犯したと非難している。

 なお、ECを辞したPeierls氏は、賛成票の多くが強い支持というよりも「契約上の義務によるものだと確信している」と記している。

Apache Software Foundation(ASF)
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