Mozilla、米Sybase(独SAP)出身のGary Kovacs氏を新CEOに起用

 Mozillaは10月14日、次期CEOとして米Sybase(独SAP傘下)よりGary Kovacs氏を迎え入れることを発表した。Kovacs氏は11月8日よりMozillaのCEOに就任し、組織および主力プロジェクト「Firefox」の全体の方向性を率いるという。

 Kovacs氏は、Sybaseでマーケット・ソリューション・製品部門担当上級副社長を務めた人物。Sybaseは2010年7月にSAPに買収され、完全子会社となっている。Sybaseの前には、米Adobe Systemsのモバイル&デバイス担当上級副社長兼ゼネラルマネージャーを務めた経歴を持つ。Adobeには、製品マーケティング担当副社長を務めたMacromediaが同社に買収されたことで入社した。

 Mozillaは2010年5月、現在CEOを務めるJohn Lilly氏の退任予定を発表、それ以来、後継者を探してきた。Mozillaの会長、Mitchell Baker氏は後任探しについて、デスクトップからモバイルへのシフト、同期関連の開発などの技術トレンドを取り上げ、執行スキル、複雑な戦略環境を率いる能力、コラボレーション、技術センスなど、CEOに求める要件を挙げていた。

 Baker氏は、数々の候補者と話をしたところ、Kovacs氏はこれらの要件を満たし、抜きん出ていた、と記している。技術面では、Macromedia/AdobeとSybaseで培ったモバイルとリッチメディア分野の深い理解、幅広いプラットフォーム構築に関わった経験などを高く評価したようだ。Baker氏はモバイルとリッチメディアは「Webの将来において重要な分野」としている。

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