Ruby 1.9.2をターゲットにした「MacRuby 0.7」リリース

 Mac OS Xのコア技術を用いたRuby実装「MacRuby」開発チームは10月1日、最新版「MacRuby 0.7」をリリースした。5カ月ぶりのバージョンアップとなる最新版では、新機能の追加よりも既存機能の統合と強化にフォーカスした。

 MacRubyは、Rubyを使ってMac OS X用のフル機能アプリケーション開発を実現するためのRuby実装。Objective-Cランタイムとガベージコレクタ、LLVMコンパイラなどのMac OS Xのコア機能を用いてRubyを実装している。

 最新版では、Cocoa対応、並列実行と性能、Rubyとの互換性などが強化されている。Cocoaでは、バージョン0.6で加わったCocoaレイヤーを強化し、Ruby ProcオブジェクトをObject C/Cコードを呼び出すAPIにパスできるようになった(次期「BridgeSupport」リリースに含まれるメタデータのインストールが必要となる)。このほか、サンドボックス機能も強化され、ランタイムのメモリとディスク容量も縮小されている。

 性能では、各スレッドのキャッシュを利用するようディスパッチャーを書き直すことで、効率性を改善した。MacRubyカーネルやベーシックなインタープリタも強化され、全体の安定性を改善した。

 Ruby互換性では、初めてRuby 1.9.2をターゲットとした。互換性テストのRubySpecでは90%を達成、前バージョンの82%から改善したという。

 MacRuby 0.7はプロジェクトのWebサイトより入手できる。対応OSはMac OS X 10.6。

MacRuby
http://www.macruby.org/