EFF、米Appleが出願したセキュリティ関連特許は「プライバシー侵害」とコメント

 非営利団体Electronic Frontier Foundation(EFF)は8月23日(米国時間)、米Appleが出願中のセキュリティ関連技術の特許について、プライバシーの観点から懸念を示すコメントを発表した。「スパイウェアどころか、(ユーザーを裏切る)“Traitorware”だ」と形容している。

 問題の特許は、Appleが出願している「SYSTEMS AND METHODS FOR IDENTIFYING UNAUTHORIZED USERS OF AN ELECTRONIC DEVICE」(電子機器の非正規ユーザーを認識するシステムおよび方法)で、8月19日に出願中であることがオンラインで明らかになった。

 これは、同社の「iOS」を搭載したデバイスがユーザーのIDや使用方法を調べ、ユーザーが正規ユーザーかどうかを識別できるようにするもの。この技術により、ユーザーの音声を録音したり、顔写真を撮影したり、心拍数を分析することなどが可能となる。メモリ使用量やインターネット上の行動のパターンなどから、非正規ユーザーかどうかを判断し、正規ユーザーではないと判断した場合はデバイスを無効化したり遠隔からデータを消去する。盗難な紛失などの状況に役立つと思われる。

 だが、このプロセスにより、「Jailbreakのように合法的と認められた行為であっても、Appleが好まないことをユーザーが行った場合に非正規と判断して、ユーザーに報復できる」とEFFは分析している。

 そうした上で、この特許は、1)紛失に必要な保護を上回る技術を含む、2)デバイスの利用方法をさまざまな形でモニタリングできる、の2つの点から、「忍び寄るような、侵入性のあるもの」とし、Traitorware(Traitorは「裏切り者」などの意味を持つ)と称している。

Electronic Frontier Foundation(EFF)
https://www.eff.org/