Mozillaが「Firefox 4」開発計画を明らかに――速度改善、同期などの新機能追加

 Mozilla Foundationは5月10日、オープンソースWebブラウザの次期版「Firefox 4」の開発計画を発表した。速度、パワフル、ユーザー志向の3つを指針に据えて開発を進め、2010年10月〜11月に正式版リリースを目指す。

 「Google Chrome」の登場や各ベンダーのJavaScriptエンジン強化によりブラウザの競争が激しくなる中、Mozillaは開発計画をオープンにすることでコミュニティのフィードバックを得る方針だ。MozillaでFirefoxディレクターを務めるMike Beltzner氏はこの日、ライブWebキャストでコミュニティに計画を公開した。

 Firefox 4では、既存のJavaScriptエンジンをベースに強化を行った「JaegerMonkey」や64ビットプロセッサ対応などで性能改善を図る。Windowsのグラフィック技術「Direct2D」や「Aero Peek」対応なども挙げている。Web開発側では、HTML 5やCSS 3といった最新のWeb標準や「WebSockets」などに対応し、開発ツールも強化する。

 ユーザー向けにはインターフェイスを簡素化し、アドオンマネージャ、アカウントマネージャなどを一新する。タブはアドレスバーの上部に配置し、タブ管理も改善する。コントロールパネルではポップアップ、クッキー、位置情報などの管理をさらに改善するという。このほか、カスタマイズ、、同期アドオン「Mozilla Weave」の統合(「Firefox Sync」)、バックグランドアップデートなど多数の強化点が挙がっている。

 Beltzer氏は、これらの計画は流動的であり今後変更する可能性があるとしている。

 リリース時期については、6月にベータ、10月にリリース候補(RC)を公開する。正式版は10月〜11月にリリースを目指すとしている。Baltzer氏はまた、次期版として開発を進めていた「Firefox 3.7」を、バージョン3.6.4として5月に公開する計画も明らかにしている。

 Web調査会社の米Net Applicationsによると、4月度のFirefoxのシェアは24.59%で2位となっている。1位は「Internet Explorer」の59.95%で、Google Chromeは6.73%で3位となっている。Firefoxは2010年2月以来、2ヶ月連続でシェア値を微増させている。

Mozilla Foundation
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