レッドハット、Red Hat Enterprise Linux 5.5を提供開始

 レッドハットは3月31日、企業向けのLinuxベースOS最新版「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 5.5」を提供開始すると発表した。比較的小規模な機能強化やセキュリティ修正、バグフィックスなどが行われたマイナーアップデートとなる。仮想化やクラウド・コンピューティング関連機能を強化、Windowsとの相互運用性も向上されている。

 RHEL 5.5での大きな変更点としては、インテルのXeon向けチップセット「Boxboro-EX」やAMDのOpteron 6100シリーズ(開発コードネーム「Magny-Cours」)、IBMのPower 7プロセッサといった最新ハードウェアのサポート強化が挙げられている。仮想化関連機能も強化され、SR-IOVに対応した10ギガビットイーサネットカードの複数利用サポートや、仮想ゲストOSに対し自動的に「HugePage」を利用するなどの改善が行われているという。またWindows 7に対応したSamba最新版などを搭載、Windowsとの相互運用性も強化したとのこと。

 そのほか、システム周りではインストーラ(anaconda)のバグフィックスや改善、Red Hatの開発するクラスタ技術「Cluster Suite」を利用したKVMベースの仮想化機能、各種デバイスドライバのアップデート、 CFQ I/Oスケジューラの性能向上などが行われている。

 開発関連機能ではGNU Project debugger(GDB)がバージョン7.0.1にアップデートされたほか、デバッグ機能「SystemTap」向けに新たなカーネルトレースポイントが追加されている。メモリの割り当てや利用状況を監視するツール「Valgrind」もバージョン3.5.0にアップデートされた。

 Office 2007のOOXMLフォーマットに対応するOpenOffice.org最新版やFreeRADIUS 2.0、PostgreSQL 8.4、Windows 7に対応したSamba 3x(Samba 3.3ベース)など、各種ソフトウェアのアップデートも行われている。

レッドハット
http://www.jp.redhat.com/

Red Hat Enterpsie Linux 5.5リリースノート(英文)
http://www.redhat.com/docs/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/5.5/html-single/Release_Notes/