米Red Hat、KVMを強化したRed Hat Enterprise Linux 5.5ベータ版をリリース

 米Red Hatは2月11日、Linuxディストリビューションの次期版「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)5.5」ベータ版をリリースした。米Intelなど最新のチップセットに対応、ハイパーバイザー「KVM」を強化した。2007年にリリースしたRHEL 5.0の5回目のアップデートとなり、Linuxカーネル2.6.18-186.EL5を採用している。

 RHEL 5.5では、バージョン5.4で本格サポートとなったKVMの強化が行われた。仮想化機能を強化した米Intelの「Boxboro-EX」、「Boxboro-MC」(ともに開発コード)をはじめ、米Advanced Micro Devices(AMD)、米IBMの各社が2010年に提供する最新のシステムをサポートする。ランタイムレベルでゲストシステムへのメモリの割り当てが可能となり、柔軟性を強化した。PCIパススルーも強化し、PCIデバイスとゲストシステム間のアクセスを改善するという。これらの強化により、物理サーバーでサポートする仮想マシンの数を増加できるとしている。

 無線LANドライバやネットワークドライバ、ストレージドライバ、ファイバチャネルアダプタの追加・改善も行われており、Ralinkの「rt2x00」ドライバなどを更新、Atherosの「ath9k」の対応も加わった。

 そのほか、「Samba 3」や「FreeRADIUS 2.0」、「GDB 7.0.1」といったサーバー/システム管理/開発ツールの更新や、「OpenOffice.org」や「Metacity」などデスクトップアプリケーションのアップデートなどが行われている。

 ベータ版は32ビットと64ビットに対応、Red HatのWebサイトより入手できる。Red Hatでは3月中旬までテスト期間とし、その後一般提供にする計画だ。

米Red Hat
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