米Red Hat、仮想環境向けのリモートデスクトップ機構「SPICE」をオープンソースで公開
米Red Hatは12月9日(米国時間)、仮想デスクトップ機構「SPICE(Simple Protocol for Independent Computing Environment)」をオープンソースとして公開した。プロジェクトページでソースコードやバイナリなどを入手できる。
SPICEは、Red Hatが仮想化強化を狙って2008年に買収した米Qumranetで開発されたリモートデスクトップ機構。現在ベータ段階にあるRed Hatのデスクトップ仮想化「Red Hat Enterprise Virtualization for Desktops」の3つの中核コンポーネントの1つを成す。
SPICEは仮想環境向けに設計されており、仮想マシンにインストールする仮想ディスプレイや仮想キーボード、仮想マウス、仮想サウンドデバイスといった仮想ドライバ(バックエンド)と、仮想マシンに接続して操作を行うフロントエンドからなる。バックエンドとフロントエンドとの通信は独自の「Virtual Device Interfaces」(VD-Interfaces、VDI)で行われ、サードパーティが独自のコンポーネントを容易に作成できるようになっている。
現在、SPICEプロジェクトではQEMU仮想マシンへのリモートアクセスにフォーカスしており、QEMU向けのBIOSやマネージャ、ゲストOSとしてWindowsを利用する際に使用するWindowsドライバなどが公開されている。
Red Hatでは、SPICEをオープンソースプロジェクトとすることでパートナー企業やオープンソースコミュニティと協業してプロトコルの開発を進め、仮想化導入を加速したいとしている。
米Red Hat
http://www.redhat.com
SPICE Project
http://www.spice-space.org