Google、Flash Playerを組み込んだGoogle Chrome開発版を公開。新たなプラグイン機構も開発中

 米Googleは3月30日、開発者向けのGoogle Chrome新版を開発者チャネルで公開した。米Adobe Systemsの「統合版Flash Playerプラグイン」があらかじめ組み込まれているのが特徴。同時にFlashへの支持を表明し、Adobeと共同でプラグインモデルの課題に取り組むとした。

 Googleは現在のブラウザプラグインモデルに一定の評価を示しつつも、インターフェイス仕様が完全ではない、機能に制限がある、ブラウザやOSによって機能が異なる、といった課題を指摘。これらは互換性の低下につながるだけでなく、Webブラウザの性能やセキュリティにも影響を与えるという。

 そのため同社は現在、ブラウザプラグインを提供するAdobeやFirefoxを開発するMozillaらと、現在のプラグインモデルの欠点を補う次世代のブラウザ向けプラグインAPIの開発を進めているという。

 また、Adobeとの提携を強化し、ChromeにFlashを統合することでエクスペリエンスやセキュリティ面での改善を図る作業を進めるとのこと。同日開発者チャネル(dev channel)で公開した最新の開発者向けChrome(WindowsとMacはバージョン5.0.360.4、Linuxはバージョン5.0.360.5)ではあらかじめFlash Playerプラグインが組み込まれた状態で提供され、Flashを別途インストールする必要がなくなっている。今後はFlashの最新の更新をChromeの自動アップデートメカニズムを利用して自動配信したり、ChromeのサンドボックスをFlashコンテンツを含むWebページに拡大する計画もあるという。

 Googleは、プラグインモデルを改善することでHTMLやJavaScriptのように高速、安全、安定したものになると述べている。長期的には、HTMLとFlashなどのプラグインがシームレスにレンダリング、スクリプティング可能になるという。

 Googleの動きは、米Appleが「iPad」発表の際に「HTML5によりFlashは不要になる」とする見解を示しているのとは対照的といえる。

米Google
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