Linuxシステムの実行状況を分析する「SystemTap 1.0」がリリース

 Linuxシステム追跡・デバッグ機能「SystemTap」の開発チームは9月22日、「SystemTap 1.0」を発表した。GNU GPLの下で公開、プロジェクトのWebサイトより各Linuxディストリビューション向けのインストール情報を公開している。

 SystemTapは、「Solaris OS」の「DTrace」に相当するもので、2005年にプロジェクトがスタートした。スクリプトを利用してLinuxカーネルとアプリケーションの実行状況を詳細に分析するフレームワークで、開発者はリコンパイル、インストール、リブートなしにデータを収集できるという。プロジェクトは米Red Hat、米IBM、米Intel、米Oracle、日立製作所らの支援を受けており、「Red Hat Enterprise Linux」に同梱されている。

 バージョン1.0では、実験機能として特権のないユーザーへのサポートが加わった(機能はプローブとタップセットのみ)。新しいフラッグを利用して外部アーキテクチャにスクリプトをクロスコンパイル可能となったほか、ftraceのring_bufferを使った伝送メカニズムも実験的に加わった。スクリプト言語では、C++のスコープに対応、特定の名前空間やクラスにプローブを限定できるようになった。

 このほか、メモリ要求も大幅に縮小したという。

 プロジェクトでは、C++、Javaへの対応強化、GUI統合などを今後の開発目標に挙げている。

SystemTapのプロジェクトサイト
http://sourceware.org/systemtap