仮想化やネットワーク管理機能が強化された「Fedora 12」リリース

 Fedora Projectは11月17日(米国時間)、最新のLinuxディストリビューション「Fedora 12」を公開した。仮想化やネットワーク管理機能など、多数の機能を含む。Fedora ProjectのWebサイトより入手できる。

 Fedora 12は開発コード名「Constantine」をもつ最新版。Fedora Projectは現在、半年に1度のリリースサイクルをとっている。ベースとなるLinuxカーネルのバージョンは2.6.31。デスクトップ環境としてはGNOME 2.28とKDE 4.3を搭載する。デフォルトのファイルシステムはext4。

 Fedora 12の主要な改良点としては、ビデオコーデックやWebカメラサポート、オーディオ関連機構、電源管理機構の改良が挙げられているほか、仮想化機能やネットワーク管理「Network Manager」なども強化されている。KVMによる仮想化関連機能では、メモリ利用の効率化やI/Oパフォーマンスの改善など、多数のアップデートが行われている。Network Managerではモバイルブロードバンド対応が加わり、IPv6対応も改善されている。また、ソフトウェアパッケージ管理システム「RPM」も改良され、パッケージファイルの圧縮にLZMAベースの新たな圧縮技術「XZ」が使用されるようになっている。

 オープンソースの動画コーディック「Ogg Theora」は最新版のTheora 1.1に対応、HD動画のストリーミングが可能となった。また、DisplayPort対応も強化された。

 開発側では、アプリケーションのクラッシュを自動報告する「Automatic Bug Reporting Tool(ABRT)」が追加、「PackageKit」も「SystemTap 1.0」では、プログラムの作成やデバッグ向けの情報収集や追跡機能が強化された。EclipseのIDE上でC/C++のコールグラフを表示する「Eclipse Call Graph」なども搭載されている。

」 そのほか開発関連機能では、NetBeans 6.7.1や「Rakudo Perl 6」など最新環境が搭載されている。

 Fedora Projectは米Red Hatの支援の下運営されており、FedoraはRed Hat Enterprise Linuxに取り入れる新技術の開発・検証という役割も担っている。

Fedora Project
http://fedoraproject.org/