「Ubuntu 9.10」は10月29日に一般提供を開始
英Canonicalは10月26日(英国時間)、無償のLinuxディストリビューションの最新版「Ubuntu 9.10」(開発コード名「Karmic Koala」)の一般提供を10月29日に開始すると発表した。22日にリリース候補(RC)版を公開しており、いよいよユーザーにフォーカスして開発したデスクトップ版、クラウド対応を進めたサーバー版が正式に登場することになる。
サーバー版「Ubuntu 9.10 Server Edition」は、クラウド対応を進め「Ubuntu Enterprise Cloud(UEC)」に完全対応した。UECは、「Amazon EC2」と同じAPIをベースとしたオープンソースのクラウドコンピューティング環境。オープンソースのクラウドプラットフォーム「Eucalyptus Systems」を採用した。Ubuntu 9.10はAmazon EC2上で仮想マシンイメージ「Amazon Machine Image(AMI)」としても提供されるため、どちらでも実装できるという。
このほか、「MySQL 5.1」の追加など、コアのサーバー製品やカーネルも改善された。仮想化では、「Xen」(ゲストとして)や「KVM」(ホストとゲスト)への対応を強化するため、カーネルを改善したという。
デスクトップ版では、起動時間が短縮され、画面の外観が改良された。オーディオ機能の改善、「Firefox 3.5」同梱などを特徴としている。開発者向けとして、シンプルなツール「Quickly」を提供、プログラミングにおける作業を一部自動化したり、コードのパッケージングを支援するという。
Canonicalでは、デスクトップ版の改善にあたって、ユーザーに使いにくいと思う機能を挙げてもらう「100 Paper Cuts」プロジェクトを展開している。これまで、同プロジェクトで挙がった機能50以上を修正したという。大規模な使い勝手の改良としては、アプリケーション管理の「Ubuntu Software Center」がある。
10月29日には、Desktop版、Server版のほか、ネットブック向けのNetbook Remixなども正式版が登場する。
英Canonical
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