IPA、Webコンテンツの互換性チェックツールを開発、オープンソースで公開

 情報処理推進機構(IPA)は2009年9月30日、互換性の高いWebコンテンツの作成を支援するツール「Pirka’r(ピリカル)」を開発したと発表した。コンテンツ製作者やWebサイト運用管理者が、互換性に問題のある箇所を確認・修正するためのソフト。オープンソースで公開し、コミュニティと連携して普及を図る。

 IPAの「2008年度オープンソフトウェア利用促進事業」の一つで、Javaシステム開発のグルージェント(本社:東京都港区)に開発を委託した。チェック、エディタ、プレビューの機能を備え、Webブラウザによってコンテンツの表示や動作が異なる非互換問題を解消するという。

 特徴として、Webブラウザ間で互換性のない個所を検出して非互換内容と修正方法を提示する「ブラウザ互換性チェック機能」、主要ブラウザ(Firefox、Internet Explorer、Safari)の動作や表示の違いを並べて確認できる「マルチブラウザビュー機能」などの機能を備える。W3C準拠チェックも可能。

 また、HTML/CSS/JavaScriptの多機能エディタを搭載。ブラウザの表示を確認しながら、Webコンテンツの編集ができる「Webコンテンツ編集機能」や、指定URLのコンテンツを収集する「Webコンテンツ収集機能」も利用できる。

 動作環境はWindows XP/Vista(Java環境はJDK6)、Mac OS X Leopard(JDK5、Snow Leopardは動作未確認)、Ubuntu 9.04/SUSE Linux Enterprise Server 10(JDK6)。Pirka’r本体を動かすクライアントのほか、検証サーバを構築する必要がある。ライセンスはApache License 2.0。

 今後、グルージェントとOSS開発コミュニティ「The Ashikunep Kotan」が連携して運営・管理を行っていく。

Pirka’r
http://pirkar.ashikunep.org/

IPA
http://www.ipa.go.jp/

グルージェント
http://www.gluegent.com/

The Ashikunep Kotan
http://www.ashikunep.org/