IPA、Linuxカーネルバージョン間の互換性情報をOSS情報DBで提供

 情報処理推進機構(IPA)は2009年10月14日、同機構が公開しているオープンソース情報データベース「OSS iPedia」で、Linuxカーネルバージョン間の互換性情報の提供を開始した。アプリケーション開発やOSバージョンアップ作業での互換性確認作業を省力化できるという。

 Linuxカーネルは、コミュニティベースで開発が進められ、頻繁に改良・更新が行われている。その一方で、仕様変更についてのドキュメント化が十分でなく、変更点を把握するには各自がソースコードを読まねばならなかった。

 IPAは、Linuxカーネルバージョン間の互換性をテストするOSSツール「CrackerJack」を、日中韓の推進組織で構成する「北東アジアOSS推進フォーラム」の共同開発プロジェクトとして開発している。

 これを使って互換性テストを自動的に実行し、結果をWebサイトで公開するシステムをOSS iPedia上に構築した。当初はRed Hat Enterprise Linux 4/5上で稼働する4バージョンのLinuxカーネルの互換性情報を掲載。今後、カーネルバージョンアップのたびにテストを自動実行して互換性データを蓄積してゆく。

 ソースコードは、LTP(Linux Test Project)のテスト開発コミュニティに対して提供する。LTPは、Linuxカーネルテストのためのコミュニティ「Autotest」などと相互リンクを張っており、IPAとして世界のLinuxコミュティに貢献できるという。

Linuxカーネルバージョン間の互換性情報(英文)
http://ossipedia.ipa.go.jp/crackerjack

IPA
http://www.ipa.go.jp/